メタバースの経済規模は2030年までに13兆ドル、ユーザー数は50億人になる、という予測があります[1]CoinDesk:Citi Sees Metaverse Economy as Large as $13T by 2030。
つまり、これから世界中の人が当たり前のようにメタバースで生活すると予測されているのです。
でもメタバースではどんなことができるか、これについてはあまり知られていません。
この記事は
「メタバースって何ができるんだろう?」
このような疑問を持つ方に向け、メタバースで出来ることを紹介します。
お金を稼げる
意外かもしれませんが、メタバースではお金を稼ぐことができます。
メタバースでは、遊ぶことによってお金を稼げるゲームがたくさんあります。
代表的なサービスをいくつか紹介すると
- ゲームをプレイして稼げるAxie Infinity(アクシーインフィニティ)
- カジノで遊んで稼げるICE Poker(アイスポーカー)
- 歩いたり走ったりして稼げるSTEPN(ステップン)
などが有名です。
※ただし、損をすることもあります
ゲームで遊ぶ以外にもメタバースでお金を稼ぐ方法はあります。
メタバースで土地を売買するのもそのうちの一つです。
これはメタバースにある土地を買い、その土地が値上がりしたら売って稼ぐ、というものです。
感覚としては仮想通貨の売買に似た稼ぎ方ですね。
他にも、メタバースでお金を稼ぐ方法はあり
- 購入した土地に広告を掲載する
- 購入した土地を他のユーザーに貸す
- メタバースで使えるアイテムを制作したり、売買する
などでも稼げます。
詳しく紹介した記事があるので、興味がある方は下のリンク先をチェックしてください。
仕事ができたり、仕事を探せる
メタバースは仮想空間上の仕事場として使うことができます。
仕事ができるだけでなく仕事探しの場、つまり就職活動する場所としてもメタバースは活用できます。
いま有力IT企業の多くはメタバースに取り組んでいます。
その中にはMeta(旧フェイスブック)やマイクロソフトも名を連ねます。
Metaやマイクロソフトのような超巨大企業は「メタバースオフィス」に注力しています。
この2社はじっさいに
- MetaのHorizon Worlds(ホライゾンワールド)
- MicrosoftのMesh(メッシュ)
などのサービスを作り、世界中に人がメタバース内で働けるよう環境を整えています。
なので、これからテレワークの3D化がどんどん進むはずです。
メタバースで仕事をするだけでなく、仕事を探すこともできます。
すでに
- 転職フェア[2]Business Insider:I went to a metaverse recruitment fair with 30 companies and 200 attendees. The avatars were creepy but I liked it — take a look around.
- 採用面接[3]DIME:採用面接にメタバースを導入したOn’yomiの経営者に聞いた「メタバース面談」のメリット
などをメタバースで行う会社は増えています。
メタバースで就職活動をして、メタバースで仕事をする。
近い将来私たちの働き方がこんな風になっても全くおかしくありません。
イベントを開催したり、参加できる
メタバースを利用すれば、ZOOMでは難しかった大人数が集まるイベントを開催したり、参加できます。
代表的なものはライブです。
世界中で大人気のフォートナイトでは、2020年4月に人気ラッパーのトラヴィス・スコットがライブを開催し、なんと1,230万人が参加しました[4]CINRA:トラヴィス・スコット×フォートナイト なぜ「歴史的」だったのか?。
下の動画はじっさいのメタバースライブの様子です。
日常生活のイベント事もメタバースで開催されています。
例を挙げると
- 入学式[5]Yahoo!:3,800 Japanese students kick off the new school year virtually in the metaverse
- 卒業式
- 結婚式[6]XR TODAy:Unilever, Decentraland Marry Metaverse Couples
などのイベントがメタバースで開催される例は世界中で増えつつあります。
メタバースを利用するといわゆる没入感、つまりその体験に参加した感覚が増すと言われています。
開催する側、参加する側両方にとって良い効果が期待できる、という訳です。
買い物・ショッピングができる
メタバースでは買い物を楽しむこともできます。
メタバースで買い物するとき、何と言っても3Dでモノを見れるというのは大きなメリットです。
パソコンやスマホの画面は平面的な2Dなので、モノの奥行きを把握するのは難しいです。
けれどメタバースは3Dなので、現実世界でモノを見るのと近い感覚でモノを認識可能です。
メタバースにより、インターネットでの買い物は現実世界での買い物により近くなるのです。
ただ、ただイギリスの調査だとメタバースでの買い物が一般的になるにはあと15年かかるという結果が出ています[7]InternetRetailing :UK consumers want the metaverse and they are going to shop in it。
Amazonで買い物をするようにメタバースで買い物ができるのは、まだもう少し先になりそうです。
なので早ければ今年中に大型チェーン店などでメタバースで注文できるサービスが導入されるかもしれません。
友達や知人と会ったり遊ぶことができる
メタバースはSNS的な使い方ができます。
なのでメタバースで友達と待ち合わせをして、合流して一緒に遊ぶ、ということも可能です。
日本ではそこまで使われていませんが、海外では
などのSNSは若者の間で大人気です。
とくにRobloxの人気は凄まじく、アメリカでは10歳〜16歳のうち半分以上が利用していると言われています[9]THE VERGE:Over half of US kids are playing Roblox, and it’s about to host Fortnite-esque virtual parties too。
アメリカに住む企業家の石角友愛さんは、ビジネスインサイダーの記事で以下のように語っています。
私の周りの小学校低学年の子どもたちの中にも、「学校から帰宅したらまず友達と会うために“Robloxに行く”」という子どもが多くいます。実際に「今日夕方4時にRobloxのあのゲームで会おうね。一緒にゲームやろう」と約束をしてくるのです。
こんなふうに、子供たちの遊び場としてRobloxは機能しているのです。
Robloxだけでなく、フォートナイトで有名なEpic Gamesがあのレゴと提携して子供向けメタバースを開発しています[10]ITmedia NEWS:Epic GamesとLegoが子どものためのメタバース構築で提携。
遊び場としてのメタバースはこれからどんどん盛んになるでしょう。
旅行・観光ができる
新型コロナによって大打撃を受けた旅行業界。
旅行業界はメタバースと相性が良いと考えられており、近い将来メタバース旅行ができるようになると思います。
けれど、旅行・観光業会でメタバースが活用された事例はあまり聞きません。
企業によっては自社工場への工場見学をメタバース化するなどの動きがありますが[11]Business Wire:Jose Cuervo Tradicional Brings the First-Ever Distillery to the Metaverse、それもごくわずかです。
旅行先・観光地として人気の場所にメタバースで旅行できるのはしばらく先になりそうです。
恋人探し・婚活ができる
メタバースを使えば、恋人や将来の結婚相手を探す婚活もできます。
いわゆる「出会い」産業がテクノロジーと相性が良いこともあり、有名マッチングアプリを運営している会社の多くがメタバースに取り組んでいます。
有名どころだと
- Tinder(ティンダー)
- Bumble(バンブル)
などはメタバース向けのサービスを開発中だと言われています。
近い未来の話だと、2022年5月にはフォートナイトのような世界で出会いを探せるPlanet Theta(プラネット・シータ)がリリースされる予定です。
メタバース空間を利用して出会いを探したり、デートすることには以下のようなメリットがあります。
これらは現在利用されているマッチングアプリの欠点を埋めるものでもあります。
これからどんどん普及するでしょうから、数年後はメタバースで男女が出会うことが普通になるかもしれません。
学習・勉強など「教育」で活用できる
ここまで紹介したように、メタバースにはとてもたくさんの使い方・用途があります。
つぎに紹介する学習・勉強つまり教育でのメタバース活用はかなり有望視されています。
というのも、メタバースでの学習には
- 効率的に学習できるので学習速度が4倍速くなる
- 集中力は1.5倍高くなる
などのメリットがあるからです[12]PwC:How virtual reality is redefining soft skills training。
このような明らかなメリットがあるので、企業等も積極的にメタバースを使った教育サービスを開発しています。
あのAmazonも自社サービスである「AWS」の研修にメタバースを導入しているくらいです。
下の動画のようなイメージです。
将来的には小中学校など、公的教育機関でもメタバースを活用した学習コンテンツが導入されるかもしれません。
サービス・商品について企業や人に相談ができる
メタバースなら現実世界に存在する対面サービスをネット空間に再現できます。
なのでネットをつかってその道のプロにサービス・商品についての相談をしやすくなります。
たとえば、自宅にいながら大手家電量販店の店員さんにメタバース内で相談できるイメージですね。
企業もメタバースを利用する若い人を顧客を取り込もうと必死です。
具体例をあげると
- 大手銀行・証券会社などの金融系企業[13]Business Insider:JPモルガンもメタバースに進出…ディセントラランドにラウンジを開設
- 大手保険会社
- 大手法律・弁護士事務所[14]Above the Law:First Biglaw Firm To Buy Serious Property In The Metaverse
などのメタバース進出はとても目立ちます。
少し変わったところだと、メンタルヘルスに関するセラピーなどの行う医療機関もメタバースにクリニックを開設することが多いです。
対面サービスはメタバースととても相性が良いので、現実世界の対面型サービスはどんどんメタバースに進出するはずです。
まとめ
ここまで紹介したように、私たちが普段の生活の中でおこなう行動の多くがすでにメタバースで実現可能となっています。
おそらく、これからメタバースの進化はしばらく続き、できることも増え続けます。
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引用・脚注
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