Roblox(ロブロックス)は没入型広告(3D広告)を2023年に開始する予定です。
これにより、ゲームクリエイターのRobloxにおける収益化の種類が増える見込みです。
ただし、没入型広告を掲載できるのは審査を通過したクリエイターのみです。
没入型広告(3D広告)ってどんな広告?
Robloxの没入型(ぼつにゅうがた)広告について説明します。
没入型広告(英語では「Immersive Ads」)とは、シンプルに言うとRobloxのゲーム内に掲載される3D広告のことです。
現在でもRobloxには広告が配信されています。
けれど、ゲームの開発者がゲーム内仮想通貨のRobux(ロバックス)を使い、バナー広告を配信するくらいにしか使われていません。
2023年に開始予定の没入型広告は、ゲーム内広告に関心がある企業も広告を掲載するようになります。
その例を挙げます。
スニーカーブランドのVansは、げんざい没入型広告のテスト配信に参加しています[1]CNBC:Roblox jumps into online advertising as revenue growth slows。
下の動画はテストの様子です。
Robloxのユーザー(のアバター)が白い扉のようなもの向かって走っています。
その上には
「sponsored」
という文字とVansの動画広告が流れているのがわかります。
白い扉の左右には大きく「Vans World」という文字があり、この先にVans Worldがあることを示しています。
Vans Worldとは、VansがRoblox内につくったゲーム(ワールド)です。
つまり、Vansのケースでは没入型広告のリンク先がVansのゲームになっています。
企業等はこのような流れでユーザーを自分達のワールド(ゲーム)に誘導することができます。
もちろん、ユーザーは別のワールドにはいっても、かんたんに元のワールドに戻れます。
ゲームクリエイターの収益化手段が増える
没入型広告の開始はRobloxのゲームクリエイターにとっては朗報です。
すでにある
- ゲームの課金
- アイテム販売
に加え、収益化の種類が増えるからです。
ただ、Robloxの没入型広告を開始するには審査を通過しなくてはなりません。
なので暴力的な内容などが含まれるゲームでは広告を掲載できません。
広告には年齢制限もあります。
没入型広告は13歳未満のプレイヤーには配信されません。
発表によると、Robloxの1日あたりのプレイヤー数は5220万人。
このうち半数弱が13歳以下なので、約半分のプレイヤーには配信できないのです。
なので、もし没入型広告で収益を増やそう思ったら、ゲームの内容を13歳以上向けにする必要があります。
2021年、Robloxがクリエイターに支払った報酬は5億3800万ドル(約775億円)[3]Social Media Today:The Development of Roblox Provides a Framework for the Metaverse Vision。
ものすごい金額ですが、Robloxには1,200万人以上のゲーム開発者がいます[4]The Washington Post:Roblox wants to advertise to gamers ages 13 and up in the metaverse。
単純平均だと1人のクリエイターがゲーム開発から得られる収入は6,400円程度です。
つまり、クリエイター間の競争は熾烈で、そんなに簡単には稼げません。
それでも、収益化の手段が増えるのは朗報です。
没入型広告がはじまったら、まずは試してみましょう。
引用・脚注
↑1 | CNBC:Roblox jumps into online advertising as revenue growth slows |
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↑2, ↑4 | The Washington Post:Roblox wants to advertise to gamers ages 13 and up in the metaverse |
↑3 | Social Media Today:The Development of Roblox Provides a Framework for the Metaverse Vision |