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メタバースには警察や警備員のような仕事をする人が必要なのか?

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私はメタバースでの経済活動(投資や仕事など)に興味があり、おもに海外の情報を収集しています。

さまざまな情報と接しているうち
「メタバースには警察や警備員のような仕事をする人が必要ではないか?」
このように考えるようになりました。

  • メタバース警察
  • メタバース警備員

などの仕事が今後生まれるかどうかはわかりません。
もしこのような職業で雇用が生まれたとしても、どれくらいの数の雇用が生まれるかもわかりません。

それでも未来のメタバースに必要な職業になり、メタバースが普及すれば普及するほど多くの雇用が生まれると私は推測しています。

なぜこのように考えたのかを説明します。

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メタバースで仕事をしたり、生活する人は増えていく

シンクタンクや調査会社によると、これからメタバースで仕事をしたり生活をする人は増えると予測されています。

ハイプサイクルで有名なガートナー社は
「2026年までに25%の人がメタバースで1日1時間以上過ごす」
という調査内容[1]Gartner:Gartner Predicts 25% of People Will Spend At Least One Hour Per Day in the Metaverse by 2026を発表しました。

総務省がおこなった2020年のネット利用時間の調査[2]総務省:主なメディアの利用時間と行為者率 第2部 基本データと政策動向によると、13歳から69歳の男女は

  • 平日は2.8時間(168.4分)
  • 土日は2.9時間(174.9分)

平均してこれだけの時間をネットに使っています。
ということは、2026年頃にはネット利用時間のうち3分の1以上がメタバースの利用にあてられるかもしれない、ということですね。

ガートナーは、未来の私たちはメタバースで

  • 仕事
  • ショッピング
  • 教育
  • 人との交流
  • エンターテインメント

などをして時間を費やすと予測しています。

仕事については、新型コロナをきっかけに急速に普及したテレワークがメタバースに移行するような感じでしょうか。
このとき、テレワークは「メタワーク」という風に呼ばれそうです。

「テレワークはともかくメタバースで仕事なんてけしからん!」
こんな風に思う年上世代の方は多いかもしれませんが、今の10代20代の世代はメタバースで働くことに抵抗を感じていません[3]The National:Interest in metaverse jobs surges more than ten-fold as companies jostle for position
もし仕事や生活にメタバースを導入することで何かが便利になるのなら、積極的に導入するはずです。

そして世界中の企業が
「メタバースでこの世界をより便利にしよう(そしてシェアをとって稼ごう)」
と膨大なお金と人材を投入して活動しています。
その中にはMeta(Facebook)やMicrosoftなどのITの巨人たちも含まれています。
とくにMetaはメタバースに年間1兆3,000億円以上投資すると発表しており[4]時事通信:米メタ、仮想空間開発を加速 覚悟の積極投資1兆円―21年12月期、ものすごい本気度です。

よって、私たちの仕事や生活の中にメタバースが導入される確率はけっこう高くなりそうです。

メタバースで起きうるトラブル・事件

もし私たちはメタバースの中で長時間過ごすようになったら、そのとき必ずトラブルや事件が多発します。
おそらく大きな社会問題としてニュースでも取り上げられるでしょう。
現段階ですでにメタバースでは犯罪性が高いものも含め、様々な事件・トラブルが起きているからです。

いま海外のメディアで大きく報道されているのは、メタバース内での女性に対する

  • セクハラ
  • 痴漢

などです。
Metaが運営するHorizo​​nWorldsでの集団痴漢の被害者の体験談ブログは大きな話題になりました。

大手企業への監視をおこなっているNPO団体SumOfUs(サムオブアス)のメタバース調査レポートも強烈です。
レポートのタイトルが
「メタバース – 有害コンテンツの掃き溜め(Metaverse: another cesspool of toxic content)」
ですからね。
タイトルがすべてを物語っています。

レポートのURLを紹介します。

https://www.sumofus.org/images/Metaverse_report_May_2022.pdf

レポート内ではHorizo​​nWorldsで女性が二人の男性に囲まれ、ひわいな発言を浴びせられる様子が動画で公開されています。
動画のURLはこちら

NPO団体SumOfUs(サムオブアス)のメタバース調査レポート画像

NPO団体SumOfUs(サムオブアス)のメタバース調査レポート画像

メタバースで起きるのはセクハラや痴漢だけではありません。

  • 誹謗中傷・脅迫
  • いやがらせ
  • ストーキング
  • 暴力(言葉の暴力も含む)
  • しつこいナンパ

などの行為がメタバース内で行われることもありえます。

メタバースには心身ともにまだ幼い10代のユーザーが多いこともあり、世界経済フォーラムはすでに警鐘を鳴らしています[5]World Economic Forum:We need to make the metaverse safe for everyone. Here’s how
政治の世界でもメタバースの安全性を問題視する声は出ており、アラブ首長国連邦(UAE)の大臣もメタバースでの安全性に対して懸念があることを表明しています[6]CNBC:Serious crime in the metaverse should be outlawed by the U.N., UAE minister says

「同じようなことはSNSでこれまでもあったじゃないか」
と思うかもしれませんが、メタバース内の事件・トラブルはより深刻です。

メタバースやVR(仮想現実)など3Dの立体的な空間は2Dの平面的な空間(今のインターネット画面ですね)よりも没入感が高いです。

没入感が高いことは3Dのメリットですが、メタバースでの体験をきっかけとしたPTSD(心的外傷後ストレス障害)など心の問題については物凄くネガティブな方向に働きます。
要は2Dよりも3Dの方が、全てにおいてまるで現実世界で体験したように感じてしまうのです。

よって誰かがしっかり対応しないと心に傷を負う被害者はどんどん増えてしまいます。
この「誰か」とは、当面のあいだはメタバースを運営する企業だと私は思います。

メタバース運営企業がトラブル対応しなくてはならない

現実世界でトラブル・事件に巻き込まれたとき、頼りになるのは法律(とその専門家)や警察・司法機関です。
でもメタバース内での出来事や事件については法律が整っておらず、これらを頼りにできません。

おそらく、これからメタバース内の事件・トラブルに関する法整備は進んできます。
けれどテクノロジーの進化に法律が追いつくことは難しいので、しばらくは整備されない状況のままメタバースが普及していくはずです。

となると、もしメタバース内で大きなトラブルが起きたらメタバースを運営する企業がしっかり対応しなくてはなりません。
なぜならメタバース内でのトラブルは他の利用者の耳に届き、これによってユーザー離れが起きる可能性があるからです。
メタバースを運営する企業が独自の方針・ポリシーを持って仮想区間の治安を維持するしかないのです。

メタバースは現実世界と同じくリアルタイムで不特定多数の人たちが活動するので、SNSでよくある禁止ワード設定だけでは治安を維持できません。
おそらく

  • テクノロジー(AI・言語解析・動画解析等)
  • 人の目や判断力

大きくはこの二つを利用して治安を維持していくと思います。

このうち後者の「人の目や判断力」を担うのがメタバース警察(警備員)という訳です。

メタバース警備員(警察)は人間にしかできない将来有望な仕事かもしれない

メタバースは「ミラーワールド」と呼ばれることがあります。
とても簡単に言えば、もうひとつの現実世界という意味です。
現実世界には警察等の組織が必要です。
もしメタバースが本当にミラーワールドなら警察のような組織が必要になります。

必要になれば、そこには雇用が生まれます。

いま世界的に見て主要なメタバースといえる

  • Roblox(ロブロックス)
  • Fortnite(フォートナイト)
  • The Sandbox(ザ・サンドボックス)
  • Decentraland(ディセントラランド)
  • Horizon Worlds(ホライゾンワールド)

などのサービスは海外企業によって運営されています。
だからといって日本人がメタバース警備員になれない、ということは無いと思います。

仮にメタバースで何か事件が起きたとします。
このとき、事件が起きたから加害者を即強制退会するなどの雑な対応はミラーワールド(メタバース)では向きません。

もしかしたら、メタバースの中に加害者の多額の資産があるかもしれません。
もしかしたら、メタバースの中に加害者と結婚した家族がいるかもしれません。
メタバースで誰かを安易に強制退会することは、現実世界で誰からを安易に逮捕するのと似ています。

やはり現実世界での事件と同じく

  • 前後の文脈や状況
  • 事件が起きた原因
  • 被害者・加害者の主張
  • 証拠・データ

などをしっかり分析しながらどの程度のペナルティ(罰)を与えるか慎重に検討すべきです。

これらを分析するためには、加害者・被害者の母国語がわかる人材が必要です。
文化的な背景がわかる人もいた方がより正確に分析・判断ができるでしょう。

日本人はメタバースにたいして積極的ではない、というデータ[7]IPSOS:HOW THE WORLD SEES THE METAVERSE AND EXTENDED REALITYがありますが、それでも一定数の日本人メタバースユーザーが存在するはずです。
だから、主要メタバースは日本語がわかる日本人のメタバース警備員を雇用するのではないでしょうか。

メタバース警備員になるために必要なのは

  • 前後の状況を冷静に分析する能力
  • 常識から考えて客観的に判断する能力

などです。

これらのスキルはまだまだAI(人工知能)よりも人の方が優れています。
なぜなら、とてもとても曖昧な物事の組み合わせによって事件やトラブル等は起きるからです。

もしメタバースに警察・警備員が必要になったら、その仕事は一定の雇用を生み
「ミラーワールドの治安維持のために働く、人にしかできない仕事」
として高く評価される可能性だってあり得る。

今のところ、私はこんな風に考えています。

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