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VR(仮想空間)を使った勉強には学習効率アップなどの効果・メリットがある

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世の中にはいろんな勉強方法があります。
本を読んで学ぶ人もいれば、YouTubeのような動画で学ぶ人もいます。

これからは、勉強方法のなかに「VR」つまり「メタバース(仮想空間)」が新しく加わります。
この記事では、さまざまな研究の結果なども紹介しつつVRを使い勉強することのメリットを紹介していきます。

テクノロジーの進化などによって、私たちが学ぶべきスキルはどんどん増えています。
VRを使ってスキル学習の効率を上げたい方はぜひ読んでください。

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VRを使った勉強は学習効果が高い

新型コロナの影響でタブレット端末などをつかった「オンライン学習」が注目されました。

オンライン学習とは、インターネット技術をつかった学習のことです。
VRなどの仮想現実をつかった学習やスキル研修も、オンライン学習の一種といえます。

VRの技術をつかえば、自宅から世界中の授業を受けることができます。
VRなら3密を避けられて、なおかつタッチレスで勉強できるので新型コロナの影響を受けません。
だから、VRをつかった学習は世界中で注目されているのです。

VRはただ便利というだけではありません。
「VRを使えば効率的に学べるのではないか?」
ということで、人の学びに与える良い影響についても注目が集まっています。

じっさい

  • VRを活用した勉強方法
  • ふつうの勉強方法

この二つを比較して、学習効果がどんな差があるかを検証する実験も行われています。
そして「VRは学習に効果的」という結果が、複数の実験で出ています。

まずは

  • VRをつかった学習にはどんな効果があったのか?
  • なぜVRをつかった学習は効果的なのか?

この二つを説明します。

VRをつかった学習にはどんな効果があったのか?

まずは
「VRをつかった学習にはどんな効果があったのか?」
について説明します。

今回とりあげるのは

  • 英会話の学習
  • 外科手術の研修

この二つの分野で行われた実験です。

英会話と外科手術はまったく異なるジャンルです。
しかし
「何かのスキルを学ぶ」
という点では同じです。
だからVR学習の効果は確認できます。

では、ひとつづつ紹介していきます。

「英会話学習」でVRを使うと文法理解などの知識が向上

最初に紹介するのは
「英会話学習」
にVRを取り入れたときの効果です。

日本では英語のスキル、とくに英会話は大人気ですから気になる人は多いと思います。
もしVRをつかった勉強が効果的なら、これから日本人も英語をどんどん話せるようになるかもしれません。

実験をしたのは電話回線でおなじみNTTグループの「NTTコミュニケーションズ」という会社です。

この実験では

  • 教科書と音声(リスニング教材)をつかった英会話の勉強
  • VR空間のなかで英会話を勉強

この二つを比較します。

そして、どちらの勉強方法の方が英会話が上達しやすいかを確かめています。
英会話におけるVR学習の有効性に関する実証実験を実施

NTTコミュニケーションズがおこなった実験の様子とVR教材の画面

NTTコミュニケーションズがおこなった実験の様子とVR教材の画面

おこなわれた実験の手順を説明します。

まず生徒を二つのグループに分けます。
ここでは仮にひとつをグループA、もうひとつをグループBとします。

そして

  • グループA→教室でこれまで行われていた英会話の学習
  • グループB→VRをつかった英会話の学習

このように、別々の方法で勉強してもらいます。

英会話の実験の方法についての図解

英会話の実験の方法についての図解

その後、二つのグループに英会話のテストをします。
テストでは

  • 相手が英語で何を話しているか理解できるか
  • 良いタイミングで会話ができているか
  • 英語のネイティブスピーカーのように発音ができているか
  • 会話に文法間違いがないか
  • 勉強した内容を応用した会話ができているか

など5つの項目をチェックします。
そして、英語が母国語の英語教師がテストの結果に得点(スコア)をつけます。

結果はどうなったでしょうか。

チェックした5つの項目のうち、なんと4項目でVRをつかった学習の方が高い得点を記録しました。
VRをつかって英会話を学ぶのは効果的だ、ということがこの実験でわかったのです。

英語が苦手な方はVRを活用する、これが良いかもしれません。

外科手術の研修でもVRは効果的

次に紹介するのは外科手術の研修にVRをつかい、その効果を確かめる実験です。

この実験では
Osso VR(オッソ・ブイアール)
という医療トレーニング向けのVRサービスを使っています。

外科手術の研修でVRをつかうと、どんな風に研修が行われるのでしょう。
まったくイメージができませんよね。

Osso VRが公開している、研修風景の動画を見てみましょう。
百聞は一見にしかず、です。

研修を受けている本人以外の人が見たら遊んでいるようにしか見えませんが、VR画面の中で手術のトレーニングをしています。

研修を受けている人は頭にVR用のヘッドセット、さらに両手にはゲームのコントローラーのようなものを付けていることがわかりますね。

サイト管理人 南研吾
サイト管理人 南研吾
「ヘッドセット」とは頭に装着する専用の器具のことです。「HMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)」と呼ばれることもあります。

なんとなくイメージが湧いたところで、実験の紹介です。
この実験では

  • 通常のトレーニング
  • Osso VRをつかったVR空間でのトレーニング

この二つで比較しています。

先に紹介した英会話の実験と似ていますね。
二つを比べて、どっちが効果があったかを

  • 時間・動き
  • 手術器具の取り扱い
  • 手術器具にかんする知識
  • 手術の流れ・計画

などの項目でテストし、確かめる実験です。

それぞれのテストの結果を比較すると、VRをつかって研修した方がテストの点数が1.3倍ほど高くなりました。
VRをつかった研修の方が、普通の研修よりも効果的に学べたのです。

さきに紹介した英会話のテストは「英語を使って会話する」という、頭脳だけを使う学習でした。
二つ目に紹介した外科手術の実験では

  • 頭脳
  • 身体

この両方を使う作業です。
つまり、VRをつかった学習は

  • 頭脳
  • 身体

このどちらにも効果がある、ということですね。

頭脳と身体の両方を使うような物事は世の中にたくさんあります。
野球やサッカー、さらにはダンスなどのスポーツも頭と体の両方を使いますよね。
ということは、教育だけでなくスポーツのトレーニングなどでもVRが有効的である可能性があります。

なぜVRをつかった学習は効果的なのか?

まずは

  • 英会話の学習
  • 外科手術の学習

の二つの実験をピックアップして、VR学習は普通の学習よりも効果がある、と紹介しました。

ここで疑問が生まれます。
なぜVRを使った教育は効果的なのか?
という疑問です。

この疑問にたいしての答えはシンプルです。

一言でいえば
「VRをつかった学習はアクティブラーニングになりやすいから」
これが答えです。

「アクティブラーニング」ってなに?

では、アクティブラーニングとは何のことでしょう。

かんたんに言うと
「自分の意思で能動的に学習すること」
をアクティブラーニングと呼びます。

もっとわかりやすく言うと、VRをつかうと
「頭を積極的につかう学習」
がしやすいのです。

この記事の前半で

  • 英会話のテキストを読む
  • 英会話の練習ができるVR教材をつかう

この二つで、どちらの学習方法が効果的かを比較しました。
テキストを読むだけでも、人は何かを学べます。
けれど、VRとはいえ実体験に近いような環境で学習すると、より学びが深まるのです。

イメージしてみてください。

  • 学校の教科書で英会話を1時間学ぶ
  • 英語がしゃべれる外国人と会話しながら英会話を1時間学ぶ

この二つの勉強方法ではどちかが効果的だと思いますか?
外国人と会話しながら学んだ方が英語がしゃべれるようになりそうですよね。
これは何故でしょう?

理由はとてもシンプルです。
「ただ教科書を読むよりも頭を使うから」
です。

外国人と会い、英語で会話するときは

  • この人は何て言っているんだろう?何を伝えようとしているんだろう?
  • この言葉を日本語に言い換えると何だろう?
  • 英語で何て言えば伝わるだろう?

このようなことを思い浮かべながら、頭をフル回転させることになります。
「頭を積極的につかう学習」をしているのです。

だから、ただ教科書で英会話を学ぶより効果があるのです。
つまり「アクティブラーニング」になりやすい、ということですね。

仮想空間で「経験」ができる

ところで、馬に乗ったことはありますか?

「乗馬」は人気のある趣味ですが、音楽鑑賞や読書ほどメジャーな趣味ではありません。
そのせいか、乗馬経験がない人は馬に乗ったときの感覚を想像しにくです。
けれど、VRをつかえばよりリアルに近い「経験」ができます。

上手に作られたVRコンテンツなら、人が馬の背中に乗ったときの

  • 自分の視点が高くなる感覚
  • 馬が歩くことによる体の揺れ
  • 馬の息遣いの音

などの感覚をVRで再現できます。
将来的には馬の匂いなども再現できるかもしれません。

本物の馬に乗るまえにVRで経験しておけば、いざ馬に乗ったときにどうなるかがわかります。
だから、本番でも何も準備なしに乗ったときよりも上手に乗れるでしょう。

VRはあくまでも「仮想現実」です。
人によって作られた擬似的な世界です。
それでも、現実世界に近いような経験をすることができます。

英会話の実験の様子を見てください。

NTTコミュニケーションズがおこなった実験の様子とVR教材の画面

NTTコミュニケーションズがおこなった実験の様子とVR教材の画面

右側の画像では、VRの中で外国人から英語で
「パスポートを見せてもらえますか?」
を聞かれています。

VRを使えば、じっさいに外国人と英語で話すような「経験」ができます。

このような経験ができるのがVRの強みです。

経験すると人は
「こんな感じなのかな」
という雰囲気がわかります。
この「雰囲気がわかる」というのが、学習においては意外に大事なのです。

学習効果アップ以外のメリット

ここまで、VRをつかった学習の効果を説明しました。
いろいろと説明しましたが、わかって欲しいのはVRをつかった学習は

  • 頭脳
  • 身体

の両方をつかった学びに効果的、ということです。

つぎは、学習効果アップ以外のメリットを3つ紹介していきます。

かんたんに「体験学習」ができる

外科手術のVRトレーニングを紹介しましたよね。
VRをつかうと、実際に何かを経験するようなトレーニングや学習ができます。

このような、何かを体験しながらする学習は「体験学習」と呼ばれます。
VRをつかえば、かんたんに体験学習ができる、これがVRをつかった学習のひとつ目のメリットです。

じゃあ体験学習にはどんなメリットがあるのでしょう。

ポイントになるのは五感です。
五感とは

  • 視覚(目)
  • 聴覚(耳)
  • 嗅覚(鼻)
  • 味覚(舌)
  • 触覚(肌・手ざわり)

のことですね。

人は何かを学習するとき、五感を使うと記憶に残りやすくなります。
脳にはいってくる情報が増えるので、記憶にひっつきやすくなるのです。

学生のときにした科学の実験を思い出してください。
ただ教室で先生の話を聞いているよりも、科学室でした実験の方が記憶に残っていませんか?

科学の実験では様々な感覚が刺激されます。
化学反応が起きたとき、フラスコのなかで弾ける火花、焦げるような匂い。
このように、視覚や嗅覚をつかうと記憶しやすいのです。
科学室の、あの独特のアルコールがまざった匂いなんかも記憶に残りやすですよね。

ちなみに、VRをつかって科学の実験をできるサービスはすでにあります。
Labsterというサービスです。

このようなサービスをつかえば、仮想空間で科学の実験を体験できます。
とても面白そうなサービスですので、動画を貼っておきますね。

ただ、VRは仮想現実です。
だから実際の現実空間ほどは五感を使いません。
それでも「視覚」や「聴覚」は十分につかうことができます。
本物の体験学習ほどではなくても「擬似体験」「仮想体験学習」として、それなりの効果は期待できるはずです。

サイト管理人 南研吾
サイト管理人 南研吾
VRでも「触覚(てざわり)」を再現できるサービスや器具はあります。
「嗅覚(におい)」もすでにVRで再現できるサービスがあります。

普通なら経験できないことを気軽に経験できる

ふたつ目のメリットを紹介します。
VRを使えば仮想空間の中だけとはいえ、どこかに「移動」ができるという特徴があります。
たとえば

  • 月にいき、月の上を歩く
  • イタリアにいき、ピサの斜塔やコロッセオを見る

ほかにもVRをつかって交通事故を経験する、なんていうこともできます。

このように、VRなら気軽に移動して学びたいことを学べます。

サイト管理人 南研吾
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ただし、専用の学習用コンテンツがない場合は学ぶことはできません。
世界中の会社がVRを使った学習用コンテンツを作っているので、これからどんどんコンテンツは流通するはずです。

人はなにか新しいモノ・コトを経験すると、その記憶が強く残ります。
たとえば

  • 人生初の一人旅
  • 人生初の海外旅行

などはよく覚えていますよね?
これは、新しいことは記憶しやすいという人の脳の性質によるものです。

VRをつかえば、このような新しい経験が気軽にできます。
しかも自宅から安全に、です。
これはVRをつかった学習の大きなメリットです。

「自分以外の人の視点」で世界を見れる

VRを使えば「自分以外の人の視点」が手に入ります。
これはどういうことでしょう。
例をあげます。

もしあなたが野球をやっていたら、メジャーリーグのピッチャーの投げる球を近くでみたいですよね。
VRをつかえば、ダルビッシュ選手の投げる球をバッターボックスから見ることだってできます。

サイト管理人 南研吾
サイト管理人 南研吾
もちろんこのようなコンテンツがあったら、という仮の話です

どういう事かというと、バッターボックスにたつ本物のバッターの視点から世界を見ることができるのです。
「自分以外の人の視点」が手に入る、とはこういうことです。

「自分以外の人の視点」を学習につかえば様々な分野で活用できます。
医療をまなぶ医大生が世界トップクラスの外科医の視点から手術を体験する、という風なことも不可能ではありません。
ほかにも

  • 手術に参加した医療スタッフの視点で手術を見る
  • 手術の内容をスローで再生する

などもできそうですね。
何かを別の視点でみたり、スローで見たりすれば当然学べることも増えます。

VRを使った勉強にはたくさんのメリットがある

ここまでVRをつかって勉強するメリットを説明しました。

どうでしょう。
VRをつかって勉強をしてみたいと思いませんか?
ただ、残念ですが日本にはVRをつかった学習系コンテンツはすくないです。
こればっかりは待つしかありません。

けれどテクノロジーの進化により、ちかい将来VRはかならず普及します。
教育系のコンテンツもきっと増えます。
今はあせらずVRが普及するのを待ちましょう。

あのアップルが、VRメガネを開発しています[1]wall street journal:アップルのARヘッドセット、iPhoneの「次」か
もしアップルのVRメガネが発売されたら一気にVRコンテンツが増えるはずです。

引用・脚注

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