アメリカに住む16歳の男子高校生が、Robloxでゲームを1つ公開し、累計で約250万円を稼いでいます。
彼はその方法・ノウハウを公開しています[1]The Hour:A Greenwich High junior made $17K creating a kids’ computer game. Here’s how he did it.。
まとめると
- Robloxの人気ゲームをじっくり研究
- 成功の指標になる数字を発見し、目標に設定
- 効果的に広告宣伝
このような、まるでプロのような戦略的な方法でゲームを成功させました。
ゲームを開発したのはRoblox好きの16歳
はじめに
- Robloxで約250万円稼いだのはどんな高校生なのか
- どんなゲームでお金を稼いだのか
この2つを紹介します。
開発者はアメリカに住む普通の高校生
ゲームを開発したのは、アメリカに住むJacob Korff(ジェイコブ・コーフ)さん。
高校に通っている普通の16歳です。
以前からRobloxで遊んでいましたが、小さいころからゲームを作っていた訳ではありません。
ゲーム開発経験としては、2019年にRoblox用のゲームを1つ作ったことがあるくらいです。
Robloxには「Roblox Studio」という、ゲーム開発ツールがあります。
これを使えば誰でもゲームを開発・公開できます。
なのでジェイコブ・コーフさんに特別な知識や経験があった訳ではありません。
公開したのは障害物ゲーム
つぎは公開したゲームについて。
公開したのは
Aio’s Wraparound Difficulty Chart Obby
という障害物ゲームです。
いわゆる「Obby(オビー)」ですね。
※Robloxでは障害物ゲームは「Obby」と呼ばれ人気です
私も遊びましたが、シンプルなゲームでした。
難易度が1から300までの設定されており、クリアするごとに難易度が上がっていきます。
ゲーム内通貨のRobuxで課金すると、クリアしなくてもより難易度の高いゲームに挑戦できる、という仕組みです。
ぜんたいとしてはファミコン的というか、初期のパソコンゲームみたいに感じました。
ゲームは短期間で制作
ゲームの制作期間を説明します。
ゲームの制作は、2020年の12月に開始。
公開は12月20日。
なので制作期間は数日〜十数日です。
短期間で制作が完了しています。
ただ、公開後も修正・改善に数ヶ月を費やしたそうです[2]Patch:Greenwich High School Student’s Own Computer Game Generates $17K。
どんな方法で稼げるゲームを作ったのか?
本題に入ります。
ジェイコブ・コーフさんがどんな方法でゲームを制作したのか、取り組んだことを紹介します。
Roblox内の競合調査から成功のヒントを探す
ジェイコブ・コーフさんは計画なしに、いきなりゲームを作り始めていません。
はじめに競合調査に取り組みました。
彼はあらかじめ
「学校の冬休み期間にゲームを作る」
と決めていました。
冬休みに入るまでの時間は、Robloxで人気のゲームの調査につかっています。
ただ調査するだけでなく、制作するゲームのアイデアを得るために自分で人気ゲームをやりこんだそうです。
そしてRobloxで人気のあるゲームが、なぜユーザーに支持されているのかを推測しました。
このとき、人気ゲームには「ユーザーが飽きない工夫」が盛り込まれていることに気づきます。
さまざまな情報を収集したり検討した結果、障害物ゲームを作ると決めたのです。
数字目標を設定
ジェイコブ・コーフさんはRobloxの人気ゲームを調査しているとき、ある数字を発見しています。
それは、人気ゲームには
- 同時にゲームするユーザー数は、40〜140以上
- 19時〜22時の期間の利用者は、75,000人以上
という共通点があることです[3]Patch:Greenwich High School Student’s Own Computer Game Generates $17K。
なので、これらの数字を目標として設定しました。
いわゆる「KPI」になる指標を見つけ、設定したのですね。
簡単にいえば、事業の業績を左右する数字目標のことです。
知人に依頼し仕事を分業
Robloxが公開しているRoblox Studioを使えば、かんたんにゲームを作れます。
けれど、すこし複雑なゲームをつくろうと思ったら「Lua言語」でプログラミングしなければなりません。
ジェイコブ・コーフさんはプログラミングが得意ではなかったようで、プログラミングは知人に依頼しています。
ジェイコブ・コーフさんは指示を出し、知人はプログラミングを担当。
つまり、ジェイコブ・コーフさんはゲームの
- プロデューサー
- 開発ディレクター
のような役割を担当し、知人はエンジニアの役割を担ったのです。
得意分野で分業したのですね。
TikTokとRobloxで広告宣伝
ゲームを公開した後におこなったのは宣伝です。
具体的には
- Roblox内に広告を出す
- TikTokでプロモーション用の動画を作る
などで宣伝しています。
※Roloxでは、お金を払えば自作のゲームをRolox内で宣伝できます
広告宣伝はどのユーザーを狙うかが重要です。
Robloxユーザーの約半分は13歳以下です[4]Roblox:RDC 2022: Our Vision for the Future of Roblox。
TikTokとは
「10代のユーザーが多い」
という共通点があり[5]Shopify ブログ:2022年版:TikTokのマーケティングに欠かせない統計データ15選、YouTubeよりもTikTokを選択した正解だったと思います。
ゲームを作っただけではRobloxでは稼げない
Robloxの1日あたりのユーザーは5,780万人[6]Roblox:ROBLOX REPORTS SEPTEMBER 2022 KEY METRICS。
イタリアの全人口くらいの人が毎日ログインしています。
これだけ人がいるとゲームを公開すれば稼げそうですが、公開されているゲームは膨大です。
その数は3,200万以上と発表されています[7]Roblox:Roblox。
こんなに競合が多いと、簡単には稼げません。
スマホアプリを開発・公開しても稼ぐのが難しいのと一緒です。
なので戦略的にゲームを作らないと、せっかく作ったRobloxゲームも他のゲームに埋もれてしまいます。
その点、ジェイコブ・コーフさんは素晴らしいです。
彼がしたことは、まるでプロのゲームプロデューサーです。
すでにRoblox専門のゲームスタジオも多数登場しています[8]Mogura VR:「Roblox専門のゲーム開発会社」、その正体とは?ブランドコラボも手がけた話題のスタジオに聞く。
つまり、たくさんのプロがすでに参入しているのです。
これでは、楽して成功するのは難しいです。
ジェイコブ・コーフさんがしたような、努力や戦略が必要になります。
なので、本格的に取り組みたい人以外は
「ゲームを通してプログラミングの勉強ができたらいいな」
「作ったゲームで友達と一緒に遊べたら嬉しいな」
くらいの気持ちで取り組むのが良いかもしれません。
引用・脚注