カリフォルニア大学サンタバーバラ校のリチャード・メイヤー教授は2022年4月に
「没入型バーチャルリアリティで仮想校外学習することの利点」
という論文を発表しました[1]Springer Nature:Benefits of Taking a Virtual Field Trip in Immersive Virtual Reality: Evidence for the Immersion Principle in Multimedia Learning。
この論文により、VRを活用した学習体験は学ぶ人の好奇心を刺激し、学習効率を上げる効果が期待できることがわかりました。
論文の根拠となった実験内容を紹介します。
この実験では102人の中学生を2つのグループに分け、どちらのグループも気候科学(Climate Science)について学習してもらいました。
2つのグループ(仮にAとBの2グループとします)は異なる方法で学習をしました。
- AのグループはVRヘッドセットを装着し、VR用教材で校外学習を体験
- Bのグループはコンピューターの画面で同じ教材をビデオで視聴
そして、理解度をはかるために学習直後と学期後半の計2回にわたってテストを実施しました。
その結果、学習直後・学期後半のどちらもVRを活用して学んだ生徒群の方がテストで良い結果をだしました。
生徒へのアンケートでは、VRで学習した生徒は
「面白かった」
「楽しかった」
という感想が多かったので、おそらく好奇心が刺激され能動的に学べたのでしょう。
VRを使った学習はその教材が優れていれば学習者の好奇心を刺激する、というメリットがあります。
他にも、校外学習においては以下のようなメリットがあります。
VR学習は教材を作る側にとっては大変ですが、学ぶ側にとってはメリットが大きい学習方法です。
数年後は先進的な学校でVR教材がどんどん導入され学生は効率的に学んでいる、こんな未来になっているかもしれませんね。
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