2030年のメタバースの市場規模は2022年度のアメリカの国家予算[1]外務省:アメリカ合衆国 2022年度予算教書よりも大きく、680兆円と予測[2]McKinsey & Company:https://www.mckinsey.com/business-functions/growth-marketing-and-sales/our-insights/value-creation-in-the-metaverseされています。
市場がこれだけ巨大だと、お金を稼ぐチャンスはたくさんあります。
もちろん、デザイナーとして稼ぐ方法もたくさんあります。
理由はとても簡単。
メタバースを作るのは3Dゲームを作るのに近いからです。
仮想のゲーム世界を創造するとき、その世界を構成する要素、つまり
- 人のアバター
- アバターが装着するファッションアイテム
- 家具や小物などのアイテム
- 家やビルなどの建築物
- 景色・風景
などが必要になります。
これらを創造するのはデザイナーの仕事です。
だから、メタバースではたくさんのデザイナーが求められるのです。
この記事ではデザイナーがメタバースで稼ぐ方法として、以下の4種類を紹介します。
この中の
「メタバースに登録し、作品をメタバース内で販売」
なら、実務未経験でもスキルがあればお金を稼ぐことができます。
記事内で、デザイナーがメタバースで稼ぐために必要なスキルも紹介します。
「メタバースでデザイナーとしてお金を稼ぎたいけど、どんな方法があるの?」
こんな疑問を持っている方はぜひ読んでください。
① 企業で正社員・アルバイト・パートとして働く
最初に紹介するのは、もっとも選択肢になりやすいであろう
「企業で正社員・アルバイト・パートとして働く」
です。
これなら月給や時給がある程度保証され、勤務すれば安定してお金を稼ぐことができます(高確率でリモートもOK)。
下のグラフは、Googleで2020年9月〜2022年9月の2年間で
「メタバース」
というキーワードが検索された回数です。
2021年の後半から急増しています。
興味関心を持つ人が増えた、ということですね。
だから、企業はどんどんメタバースに進出しています。
企業がメタバースに進出するとき必要になるのは
- 3Dゲーム開発
- 3Dデザイン
などのスキルを持つ「メタバース人材」です。
自社にメタバース人材を抱えている企業はすくないです。
よって、メタバースに取り組む企業は
- 3DCGデザイナー
- 3Dモデラー
など、3Dデザイン系の職種の求人を今(2022年11月)どんどん出しています。
なので、DCCツールの利用経験がある3DCGデザイナーは比較的メタバース企業に入社しやすくなっています。
メタバース関連の求人数が多い転職サービスは下のリンク先でまとめています。
求人数が多いサービスをすぐ見つけたい方はぜひ読んでください。
② 個人事業主や副業で仕事を受託する
二つ目に紹介するのは「個人事業主や副業で仕事を受託する」。
企業などに所属しない稼ぎ方ですね。
ここでは、個人で稼ぐことに慣れていない初心者向けの方法として、クラウドソーシングを紹介します。
クラウドソーシングは、個人でも簡単に仕事を受託できるサービスです。
日本における代表的なサービスは
などです。
最近だとMetaWorks(メタワークス)という、メタバース人材に特化したサービスもあります。
3つのサービスを比較すると、案件の質は特化型だけあって明らかにMetaWorksが優れています(その分やや案件数は少なめ)。
すでに3DCGのデザインやメタバース・NFT関連のデザイナーとして実績のある場合はMetaWorksへの登録がおすすめです。
もちろんどのサービスも登録は無料。
登録後、「メタバース デザイン」などのキーワードで案件を検索し、できそうな仕事を探してください。
クラウドソーシングの場合、海外に目を向けるのもおすすめです。
- 世界中から仕事の依頼があるので案件数が多い
- メタバース関連デザイナーの報酬が日本よりも高い
というのが、その理由です。
海外のクラウドソーシングの大手の
Fiverr(ファイバー)
は2022年の春に「直近6ヶ月の間に仕事数が急増したトレンドスキル」として
- 3DCADのモデリング→案件数2.97倍に増加
- 3Dアート→案件数1.67倍に増加
- NFTアート→案件数35倍に増加
などを紹介しています[3]Fiverr:Small Business Needs Index。
アメリカの求人プラットフォームのCreativelyは
Web3やメタバースのプロジェクトに携わるクリエイターの多くは、30万ドル以上の年収を得ており、これらの分野に精通していないクリエイターの平均賃金のほぼ2倍となっていることが判明した。
(管理人が英語を翻訳)引用元:Metaverse and Web3 creatives make nearly double the salaries of their peers
という衝撃的なデータを発表しています。
シンプルに言えば、メタバースやWeb3に関連するスキルがあるデザイナー・クリエイターは海外の方が
- 需要が高く
- 報酬も高い
ということです。
DeepLをはじめとした翻訳AIツールの進化により、いまは個人でも国境を超えて稼ぎやすくなっています。
いまのうちから海外から仕事を受託し、ドルなどの外貨を稼いで日本で豊かに暮らす、というのは優れた働き方だと思います。
③ 【未経験でもOK】メタバースに登録し、作品をメタバース内で販売
次に紹介するのはメタバースに会員登録し、デザインした
- アバター
- 服や武器等のデジタルアイテム
などを他のプレイヤーに販売してお金を稼ぐ方法です。
この方法ならデザイナーとして働いた経験がなくても、スキルがあればお金を稼げます。
アバターやアイテムを作りながら学び、少しつづスキルを向上させるという作戦も取れます。
なので、未経験だったり勉強中のデザイナーにおすすめです。
世界中にメタバースはたくさんあり、人気サービスだと数億人規模のユーザーが遊んでいます。
その中には他のユーザーに対し、自分がデザインしたアバター・アイテムなどを販売できるメタバースがあります。
代表サービスは以下の4つです。
ここからは、これらのサービスで稼ぐ人の具体的な事例を紹介します。
Robloxでは、1年の間に日本円にすると450万円以上を稼いだクリエイターが1,000人近くいるそうです[4]CNBC:Avatars need their nails done, too. Enter the metaverse side hustle.。
※この中にはゲームを開発しRobloxで公開して稼いだ人も含まれます
ZEPETOでは一人で数千万円も稼いだ女性がいます。
カナダに住むモニカ・クインさんは、ZEPETOでデジタルファッションアイテムを販売し、日本円にして数千万円ものお金を稼いだそうです[5]Markets Insider:A 28-year-old on Asia’s top metaverse platform makes six figures as a virtual fashion influencer
29歳のアーティスト、Nikki FuegoさんはDecentralandでお金を稼いでいます。
具体的にはフリーソフトのBlender(ブレンダー)でDecentralandのユーザー向けに仮想アイテムをデザインし、これを販売して稼いでいます。
8ヶ月のあいだに稼いだ金額は約600万円。
驚くことに彼女は他の仕事もしています。
つまり、副業でこれだけの金額を稼いだのです。
メタバースによって、クリエイターを支援するファンド(基金)もあります。
具体的には
などです。
支援金を受け取ったり、無償でトレーニングを受けられたりする、かなりお得な仕組みです。
※各社が定める条件を満たした人だけが支援してもらえます
メタバースでのアイテム販売は、自分がデザインした作品を世界中の人に販売するチャンスです。
個人でも簡単に取り組めますので、興味がある方はぜひトライしてください。
デジタルアイテムはNFTアートとして販売できる、ということですね。
④ DAO(分散型自律組織)に参加し、プロジェクトに貢献する
最後に紹介するのは
「DAOに参加し、プロジェクトに貢献する」
です。
DAOは日本語だと「分散型自律組織」と訳されます。
とてもシンプルに言い換えると
「プロジェクトのために集まった集団」
みたいなものです。
DAOによりますが、プロジェクト参加者がDAOに貢献した活動をすると
- 仮想通貨
- NFT
などを報酬をくれることがあります。
これらの報酬を日本円に換金したり、NFTマーケットプレイスで販売すれば、実質的にお金を稼いだことになります。
もしデザイン系のスキルがあれば
- DAOのウェブサイトのデザイン
- DAOのロゴのデザイン
などでDAOに貢献することができます。
もちろん、メタバースに関連したDAOもあります。
じつは既に紹介したDecentralandは、Decentraland DAOによって運営されています。
ほかだとOpen Metaverse Alliance for Web3という、複数のメタバース運営会社で作られた巨大なDAOもあります。
けれど、正直にいって、DAOに所属してお金を稼ぐというのはややハードルが高いです。
それに、お金を稼ぐためにDAOに参加する人はDAOに向きません。
スタンスとして
「このDAOに共感できるから参加したいな・・・」
と思って参加したDAOがあり、そのプロジェクトに貢献したら結果的にお金がもらえた。
こんな感じでDAOに参加できる人でないと難しいかもしれません。
デザイナーがメタバースで稼ぐにはどんなスキルが必要?
最後に、デザイナーがメタバースで稼ぐために必要とされているスキルについて紹介します。
メタバース企業が出している求人情報を見ると、必須スキルとして
- 3DCGデザイン
- 3Dモデリング
などが設定されていることが多いです。
具体的には
- Blender
- Maya
- 3ds Max
などの3DCGソフトを活用して3Dアイテムをデザインするスキルがあれば良いでしょう。
※Blenderは無料で使えるので、ゼロから3DCGデザインを学ぶならBlenderがおすすめです
また、「歓迎スキル」としては
- Unity
- Unreal Engine
などのスキルが設定されていることが多いです(特にUnity)。
これは、メタバースはこれらゲームエンジンをつかって構築することがほとんどだからですね。
今のところUnityを使ってメタバースを作る会社の方が多いので、Unityの方が選択肢としておすすめです。
※この二つはどちらも無料で利用できます
まとめると
- 3DCGソフトを使った3DCGデザイン
- ゲームエンジンを使ったゲーム制作(おすすめはUnity)
この二つのスキル・経験があれば、メタバース関連の仕事がしやすくなるでしょう。
学生の方には、アメリカのビジネスインフルエンサーBernard Marr氏がForbesに寄稿した記事が参考になります。
Bernard Marr氏は、もし大学でメタバース関連スキルを学ぶなら
- UXデザイン
- ゲームデザイン
- 仮想現実(VR)や拡張現実(AR)
がおすすめと語っています。
要は、ゲームを作るのに必要なスキルを学ぶのがおすすめ、ということです。
すでに説明したように、メタバースを作るのはゲームを作るのによく似ています。
ここで紹介したスキルやゲームエンジンは、ゲーム開発で使われるものばかりです。
ゲーム開発のスキルはメタバースだけでなく、教育や企業研修など様々な分野で活用できます。
もちろんビジネス分野でもデジタルツインなどが注目されているので、高いニーズがあります。
どのスキルを学ぶのに困ったら
「ゲームを作るのに必要なスキル」
を学んでおけば、これからの時代どんな場所でも必要とされる人材になれるかもしれません。
「食いっぱぐれないスキル」として、ゲーム開発に関連するスキルを学ぶのは「有り」だと思います。
引用・脚注